大阪の建築家 石丸信明

RECOワークテーブルの感触

RECOワークテーブルは、木材の再生素材であるパーティクルボードとアルミの型材からでき上がっている。組立は、六角レンジを使いステンレスのビス8箇所で固定する。もちろん、完全リサイクル出来る家具が、我々の重要なコンセプトのひとつだ。
このRECOワークテーブルを持って、2002年10月22日から10月26日までヨーロッパ最大のオフィス家具の見本市であるケルンメッセORGATEC2002に「RECO PROJECT」を出展してきた。
ブースに訪れる反応が、各人各様各国各様で興味深かった。
アルミとパーティクルボードが、ぞろに収まっている。ほとんどの人は、このRECOワークテーブル天板部分のパーティクルボードとアルミを不思議そうに撫でていく。パーティクルボードは、ドイツでは非常に安価な素材であり、ホームセンターで売られ、一般の人にもよく目にする素材である。アルミは、北欧では生産していなく、また一般的には生活基盤材として使われ素材には高級なイメージがない。それが組合わさると、自分達の持っている固有のイメージをジャンプしてしまうのか。そのとまどいを、かき消すように撫で、触覚で確認したくなるようだ。素材に対するイメージは、各国各様、日常の生活の中で作られてしまっている。
モノは、性能を設定し、素材を組立て、道具となる。人間とモノの関係の中では、新たなエモーショナルな関係が成立する。トヨタが高級車を開発するときに、ドイツ車の様に扉を閉める時のシュッポットいう音が重要な課題だったと聞いている。そういえば、アメリカ車は、パッシャという音の車が多い。単に、車の性能と言う部分であれば、グローバルのメーカーではそんなに差異はないのだろうが、エモーショナルな部分での配慮は、実はそれを購入し、使おうとする人には重要な要素である。
RECO PROJECTは、専門の家具メーカーが関わっていない。業界からみるとアウトサイダーである。だから、素材、機能、生産、廃棄等今までの制約から自由になれる。モノとしてだけではなく、それを使う人にもエモーショナルな働きかけをしたい。働く姿もイメージしたい。我々にとって、それを発展させていく為には、人々の中に眠る感性の海を渡りきらなければならない。
なお、リサイクル原料をはじめとする環境に配慮した素材を用いた新しい商品を募集する国際的なデザインコンペティション第6回「記憶のデザイン」コンペティションで RECO(レコ)ワークテーブルが優秀賞を受賞に決定した。(記憶のデザイン http://www.amita-net.co.jp/DwM