大阪の建築家 石丸信明

ゴルフのアンテナ

かれこれゴルフという車に15年以上乗っている。現在のは、93年モデルのGTIだ。丁度モデルチェンジする少し前の年式で、なかなか乗り心地が良いと勝手に思っている。しかし、10年、走行距離10万キロを越える頃から、あちこちパーツの不具合が生じてきている。
アンテナは、屋根後部中央にピント約30度の角度で上向きについている。もちろん金属を芯材にしてあるのだが、耐風圧に対応するために屋根との接する部分は、強化ゴムで出来ている。この部分が経年変化で割れてきた。日本の修理工場を通じて、アンテナの部品の取り替えを打診したが、どうも単純にアンテナだけでなく、受信器本体と一緒にしか売らないという。仕方がないので、ドイツに行った際にフォルクスワーゲンのサービス工場を訪れ、その部分だけ買い求めることにした。アメリカ人の知人と訪れたのだが、担当のパキスタン人は始めは何のことか理解しがたい顔をしていたが、やっと理解して頂き、その部品と、新型の渦巻き型のアンテナを持ってきた。喜んで、ドイツ土産にシンプルな方を買っていった。
建築のパーツは、基本的に汎用性のある材料を基本にしているので、基本的に不具合が生じると取り替えたり修繕することは可能だ。しかし、車のようなプロダクツの場合は、もちろん全てを汎用品で対応することは出来ず、その型式独特のオーダーメードの部品が必要になってくる。自動車修理工場の人が言っていたが、少し年式が落ちると日本の大手自動車メーカーでさえ、主要な部品の在庫がない場合があるそうだ。仕方がないので、鉄工所に頼んで対応しているとのことだ。大量生産の部品を、オーダーメードで鉄工所に頼むなんて少し変な感じだ。車は、ベルトコンベヤーで大量に分業で作っていくのだが、使用されると時間の経過と共に各パーツは確実に消耗していく。
そんな夢みたいな話しはないのだろうが、全て汎用品で出来た車があれば、永遠にのりこなしていけるのではと思う。そういえば、先日ノート型のパソコンのACアダプターが壊れてしまった。それを取り替えるのに5万3000円かかるという。ACアダプターは、全ての商品に違うモノがついている。ひとつのアダプターにアダプターのアダプターを取り替えることで対応出来る技術自体は難しくないとは思うのだが。