大阪の建築家 石丸信明

菰野-O邸 from ishimaru

剣道では、相対した時の構えを正眼の構えといいます。私自身、学生時代剣道をしていたので、何か対象と対峙するときに、正眼の構えと言う言葉がいつも頭をよぎります。Oさんも、剣道の有段者でかつ居合いをされるという話を聞いた時に、直感的に両者の間合いはうまくとれるなと感じました。

菰野-O邸

菰野-O邸

敷地は、菰野町にあり三滝川に平行に開発された住宅地の一角にあります。南側、東側、北側と三方道路に囲まれています。私たちのいくつかの提案の中にあった、思い切って建物の一部を45度道路に対して振った配置案を気に言っていただきました。建物の振れにより、いわゆる庭である外部空間に違う性格を持たせながら、連続感を持たせることができました。内部空間とも絡めながら、シンプルですが生活に変化を与み続けることができると考えています。

奥様のご実家が木材を扱われるお仕事をされているということで、当初から国産の木材を使いたいという要望があり、フローリングは節ありの檜材を使っています。やわらかな檜の傷の問題よりも、木材そのものの質感を大切にしたいという姿勢は、さながら木材とも向き合いたいというO夫妻の想いを孕んでいます。

菰野-O邸

初めて敷地に行ったときに、ここは三重県であるのに、鈴鹿山脈、三滝川、クヌギの並木、風等、白山を背景にした石川県の風景を思い出しました。我々の設計した住宅だけでなく、周りの環境も巻き込んで、ここにしかない生活を楽しんでいただければ幸せです。