大阪の建築家 石丸信明

野村-S邸 from ishimaru

私たちは、デイサービスセンターの設計をした経験があります。高齢者に対する配慮が必要です。しかし、このような不特定多数を相手にする場合は、非常に難しいことです。身体の動きにどこに制限があるのかと考えるのか?どこまで健常者と一緒と考えればいいのか?等々。
トイレの器具の配置ひとつを検討するのに、原寸で図面を出力し、介護スタッフとけんけんがくがくしたことがあります。

野村-S邸

野村-S邸

Sさんの住宅の打合せを進めている間に、ご主人が奥さんの動きを配慮した、キッチンと食卓が一列に並んだスケッチを頂いた時に、前述の難しさをかなりクリアー出来ると確信しました。
奥さんの動きのイメージをしっかりとつかんでおられ、廻るような動きを設定されていました。
その考えを受け、この住宅ではいろいろな家事を、直線的な動きではなく、回遊しながら処理できるように考えています。

敷地は、小学校の正門に向かう道に沿って建っています。いくつかの候補の土地の中から、この土地を選ばれた理由の ひとつに、かなり小学校自体を意識されたことと思います。奥さんが、キッチンの作業をしながら、子供たちの学校に行き来する姿を眼で追うことができます。 多分、たくさんの友達が遊びにきていることでしょう。

野村-S邸

野村-S邸

Sさんのお子さんはやんちゃです。昨年3月に行われた「在コミュニティVOL.1」に来て頂いた在オーナーのご家 族のお子さんのなかでも、一番元気でした。私たちは、ご主人の想いを住宅という形に出来ました。早い段階にこの住宅のイメージとして、ピカソのつんできた 花を手がつかんでいる絵を提示しました。
お子さんたちが、この大きな愛情の中で、LIFE FOR HERE/ここにしかない生活を楽しみながら成長する姿を願っています。