【第120回木三会】「森をまとう」樹木から生まれたファブリック【（株）シンサイカトー】

2024/05/01

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■前回の木三会の「受け取り直し」　有限会社夢現設計室　前野代表のお話

2024年6月に、防災関連展示会で、新製品としてツーバイフォー工法で製作したトレーラーハウスを出展する予定です。今後、新たな動きがありましたら、ご報告させていただきます。

■今回の木三会　株式会社シンサイカトー・常務取締役／縁樹の糸・代表　加藤貴章さまのお話を伺って

樹木布（JumokuFu）　樹木から生まれたファブリック　

シンサイカトーは元々アパレルのニットメーカーでした。7年前より「森をまとう」をコンセプトに掲げ、日本各地の樹木からファブリック繊維をつくる事業「縁樹の糸」ブランドを展開されています。スカーフ、ウェア、マスク、カーテンなどが代表的な製品です。他に樹木から作ったミストも販売されています。

繊維の特徴は以下の通りです。

・100％木でできている

・肌ざわりがなめらか

・毛羽が短い

・手編み

・吸湿速乾性が高い

・生乾きしにくい

・抗菌・殺菌作用が高い

樹木というと、木肌を触ったときのザラザラした感触を思い起こしますが、実際にスカーフを触らせていただくと、毛羽立ちを感じず、触感としては麻に近く、サラッとしていて驚きました。

カーテンは、透け感が高く、照明にかざすと木漏れ日のような柔らかい光に包まれます。また、編み目を通して反対側の景色をほどよく遮る効果があり、内と外の環境をゆるやかにつなぐアイテムとしても使用されているようです。実際に、有名ホテルのインテリアとして採用されたほか、ヨガスタジオやオフィスの間仕切り、森の中でキャンプに使用するなど様々なシーンで使われています。

2024年4月17日から公開されている映画『陰陽師０』の舞台衣装としても使用されています。樹木布特有の風合いが平安時代の幻想的な映画の世界観にマッチするため選ばれたようです。

「フォレストミスト」は、各地の森林の樹木を使って作っており、実際に使用すると、爽やかな香りで一気に気持ちが安らぎました。高野山、吉野山など、使われている樹木の地域によって、香りに違いがあることがわかり、改めて森の多様性を感じました。

「森をまとう」ことで人と自然をつなぐ

加藤さんは古来、日本各地には歴史・風土・文化・人との関係を育んできた豊かな森林があるにもかかわらず、普段の生活の中で自然との関わりをあまり意識しないことに問題意識を抱えておられました。そこで、暮らしに取り入れることができる「樹木布」をつくる事業を立ち上げられたそうです。

繊維は、再利用できない木端くずからもできるため、木材の有効活用が図れます。その観点では、SDGsやサスティナブルに通じますが、加藤さんとしては、製品自体の環境への貢献性を訴えるよりも、自然の恩恵を感じられる製品を「暮らし」の中に取り入れることで、自然を愛でる気持ちを育むことを目指されています。その延長線上に人と自然がつながっていき、SDGsのための実際の行動も生まれてきます。

今回、ストールを触ったり、ミストの香りを体感したりすることで、子供時代に遊んだ森の記憶が呼び起こされ、自然と気持ちが和らぎました。自然のもつ癒やしの力を再発見しました。加藤さんご自身も製品に触れれば触れるほど、樹が好きになったそうです。「暮らし」を通じて自然に対する愛着を育てていく加藤さんの熱意には感銘を受けました。日々の「暮らし」をいかに豊かにしていくか、そのヒントを得られた貴重な機会となりました。

■第120回木三会　セミナー担当企業さま

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株式会社シンサイカトー（縁樹の糸）

〒530-0024 大阪府大阪市北区山崎町5-8　シンサイカトービル8階

TEL：06-6361-0240 　　

URL：https://www.enginoito.com/

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■第120回木三会　写真