【第141回木三会】「3daysofdesign」報告会【株式会社OHAMA・フジワラ化学株式会社】
■ 石丸の感想
行ったことはありませんが、どうもデンマークのコペンハーゲンの「3daysofdesign」は、ミラノサローネとは対極の位置にある展示イベントではないでしょうか。
デンマークは人口約600万人、コペンハーゲンが人口約80万人で、堺市並みです。デンマークは、農業国でもなく、工場地帯があるわけでもなく、基本的に資本主義経済の恩恵をいま受けているアジアやアメリカやヨーロッパとはぜんぜん違う在り方の国です。
もともと、1年の半分は曇り空で、人々の太陽光に対する願望が深く繊細です。結果的に、家の中での暮らしは非常に繊細な感覚にフィットするような空間で満たされています。
いまの日本のように、いろいろな情報が充満して、皆各自が何を求めていいかがわからない情況ではなく、厳しい条件の中で日々の暮らしを豊かにしていこうとする姿勢を感じることができました。
今回、OHAMAの川﨑さんとフジワラ化学の曽我常務からの報告を聞きましたが、いま説明したような姿勢が建材の中にも落とし込まれているのではと感じました。
情報過多の海の中で生きていくのもある意味しんどいのですが、たぶんコペンハーゲンの「3daysofdesign」のイベントに参加すると、要らぬことを感じたり考えたりすることが少なくなり、反対に自分たちの在り方を見直していく良い機会になっていくと強く感じました。また引き続き、参加される機会があれば、どの方向に変化していくか興味がつきません。
■所員の感想
第141回木三会 デンマーク「3 Days of Design」から学ぶ、空間と物語で選ばれる価値づくり 第141回木三会では、株式会社OHAMAの川﨑社長と、塗料メーカーであるフジワラ化学の曽我常務より、デンマークで開催された「3 Days of Design」(以下、イベント)の視察報告をお聞きしました。
イベントの説明
最初に社長から、「共創する都市」をテーマにお話をいただきました。
まず、日本の一般的な展示会とは大きく異なる点に驚きました。
ブースや名刺交換、商品を並べた展示はなく、照明や家具、壁の仕上げまで含めて、空間全体で見せる構成になっています。
どの空間も無駄がなく、落ち着いた心地よさを感じました。
気候の厳しいデンマークでは屋内で過ごす時間が長く、居心地のよい空間を追求してきた積み重ねが、その背景にあるように思います。
今回のテーマは「make this moment matter(この瞬間を意味あるものに)」。スピーカーを置いて空間と音楽で心地よさを演出するなど、製品を単体ではなくストーリーとして提示する展示が多く見られたそうです。
また、主催者が出展条件として社会的な貢献を求めている点も印象的でした。そのため、どの展示でも社会貢献のメッセージが打ち出されています。
来場者同士も製品や空間について活発に意見を交わしており、皆が主体的に空間や社会をよくしようとする前向きな空気に満ちていたとのことです。
人を中心としたコペンハーゲンの都市計画
続いて、コペンハーゲンの都市計画についてお話がありました。建築家のヤン・ゲール氏を中心に、「人の視点で街はどうあるべきか」を徹底的に議論して作られた街並みが紹介されました。車道は少なく、自転車道と歩道が街のいたるところに整備されています。過剰な照明はなく街並みはシンプルで、海辺や川沿いにも高い手すりはなく、開けた視界の中でゆったり過ごせる環境が保たれています。
また、先進的な建物の事例として「アップサイクルスタジオ」もご紹介いただきました。全体の69%が廃材を再利用して建てられたということに驚きました。
「何を売るか」より「なぜ選ばれるか」
フジワラ化学の曽我常務は、このイベントを通じて、「何を売るか」ではなく「なぜ選ばれるか」が問われていると感じられたそうです。
商品の性能や機能、価格ではなく、企業の考え方やストーリーが評価される中で、自社の価値を再発見していくことの重要性に気づかれたとのお話でした。
特に、昔からある素材を今の建築の文脈で再構築するという視点をもつことができたということが印象的でした。
感想
デンマークのデザインには、正直なところ羨ましさを感じます。ただ、日本にも、無駄を省いた落ち着いたデザインなど歴史の中で培われた美意識があります。戦後、資本主義に基づく効率的な建物が急速に求められる中で、こうした独自の感性がどこかでおざなりになってしまった側面もあるのではないでしょうか。地道ではありますが、美しいもの、良いものを五感で体感する機会を増やしていくことが大切だと思います。
また、デンマークでは、目指すべき社会の理想像を掲げ、一人ひとりがそれを主体的に実現しようとする姿勢が根づいているように見受けられました。日本では、社会的意義を掲げると大仰に聞こえ、居心地の悪さを感じることもあります。しかし、SDGsに代表されるように、地球規模の課題の解決は待ったなしです。これも地道ではありますが、普段から社会的課題を意識し、解決するにはどのようなことが求められるかという視点から逆算して考えることで、身近なところから社会的課題に向き合い、組織や社会を変える小さな成功体験を積み重ねていきたいと感じました。
株式会社OHAMAの川﨑社長、フジワラ化学の曽我常務、どちらもわかりやすいご説明ありがとうございました。また、OHAMA様には今回も会場のご準備、懇親会でお食事やお飲み物のご準備をしていただき、ありがとうございました。心地よいオフィス空間と来場者の方同士の活発な意見交換を通じて、皆さま方にとっても新しい何かをつかむきっかけとなったのではないかと思います。重ねて御礼申し上げます。
■写真
■第141回木三会 ゲスト企業さま
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株式会社OHAMA
〒661-0978兵庫県尼崎市久々知西町1-9-11
TEL:06-6428-7200
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フジワラ化学株式会社 (本社・工場)
〒799-1342 愛媛県西条市大新田94
TEL:0898-64-2421
URL:https://www.fujiwara-chemical.co.jp
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木三会は、以下の3点に重点を置いて、議論していきます。
- 業界の枠を超える
- 一般の人に向けてわかりやすいように説明する
- 未来に向けてどのように価値をつくっていくか
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