【第127回木三会】燃えない発泡スチロール「バリシールド」【ウシオマテックス株式会社】
今回は、愛媛県今治市に拠点を置く、ウシオマテックス株式会社の森本さんと土田さんから、燃えない発泡スチロール「バリシールド」のお話をお聞きしました。
元々、潮冷熱という船舶関連製品の製造・販売をされている企業で、燃えない発泡スチロールの可能性を感じ、潮冷熱のグループ企業として2019年7月に設立されました。
発泡スチロールを使用した断熱材は、建築の分野においては火災の原因となった事例を思い起こさせます。ロンドンの高層住宅、東京の倉庫、高知の集合住宅で、それぞれ建物全体が焼失する結果となりました。
一方、ウシオマテックスさんの「バリシールド」の最大の特徴は、燃えないという点です。 「UL94規格」というアメリカで権威のあるプラスチック燃焼性試験に関する安全性規格において最高グレードの「5VA」を取得しており、高い難燃性を保持しています。
この難燃性は、発泡性スチレン樹脂原料に難燃剤をコーティングすることで得られています。 火災にあっても難燃剤コーティングが炭化することでバリア機能を果たし、発泡ビーズの中が空洞化するため、燃え広がりにくい仕組みになっています。
防火材料認定やNK認証(船舶の品質・安全に関する認証)も取得されています。
バリシールドには、パネル用(厚さ9〜100mm)と天井用(9〜40mm)のラインアップがあります。
パネル用は主に断熱扉のコア材や船のダンパーに、天井用は特定天井を避けるための軽量天井の仕上材として、防水性があるため主に室内プールなどの天井に使用されています。
フロンやダイオキシン誘発物質を不使用、Fフォースター取得(ホルムアルデヒド発散量の基準)しており、環境面にも配慮した製品となっています。
ウシオマテックスさんは、まだ創業5年目で建築分野に進出されて間もないため、バリシールドの新しい用途を模索されています。
パネル用は特定の代理店がないため、使いたい用途があれば、気軽に連絡してほしいとのことでした。(天井用はシステム天井メーカーにしか供給していないようです)
そこで、今回の木三会の参加者からは、断熱材メーカーさんや、工務店さんなどから、新しい用途に関して活発な意見交換が行われました。
「災害に強い安全な社会づくりに貢献したい」というウシオマテックスさんの姿勢には共感できます。
「バリシールド」は、発泡スチロールの課題を克服し、良い面(防水性、軽量性、断熱性、自由な成型、低吸水性)を活かせる建材として、大きな可能性を秘めていると感じました。
引き続き、ウシオマテックスさんの動きに注目していきたいと思います。
■写真 第127回木三会の様子
■第127回木三会 ゲスト企業さま
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ウシオマテックス株式会社
〒660-0885 愛媛県今治市クリエイティブヒルズ5番地3
TEL:0898-33-7660
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木三会は、以下の3点に重点を置いて、議論していきます。
- 業界の枠を超える
- 一般の人に向けてわかりやすいように説明する
- 未来に向けてどのように価値をつくっていくか
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