【第133回木三会】サッシの種類、防火認定について【YKKAP株式会社】

query_builder 2025/10/20
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■ 石丸の感想

YKK AP奥山さんのお話は、まずYKKおよびYKK APの歴史の紹介から始まりました。
富山にはサッシメーカーがいくつかありますが、その理由として、大量の清らかな水を必要とする製造工程があり、立山連峰のふもとという豊かな水資源に恵まれた地に立地していることが挙げられます。

戦後、アルミという素材は、やかんなどの生活用品から始まり、次第に建築用サッシへと用途を広げていきました。しかし、時代の変化とともにサッシにも断熱性能が求められるようになり、アルミサッシから樹脂サッシへと移行が進んでいます。奥山さんは、その延長線上に「いずれアルミサッシが姿を消すかもしれない」という見通しを示されました。専門メーカーならではの真摯な視点から語られる内容は、非常に示唆に富むものでした。

また、サッシの固定方法においても、非溶接工法という新しい技術を開発されているとのことでした。サッシが導入された当初、モルタルの「団子」で固定していたという原点から着想を得つつ、現代の施工リスクや防火の観点を踏まえ、より普遍的で安全な工法を目指しているとのお話は印象的でした。トップメーカーとしての矜持と挑戦の姿勢を感じました。

参加者の皆さんも、こうした少し深い視点からのお話に触れることで、それぞれの分野に置き換えて考えるヒントを得られたのではないかと思います。

次回は、現代工業の生野事業所を訪問する予定です。実際の生産現場でお話を伺うことで、また新たな視点を得られる機会になると期待しています。奮ってご参加ください。

石丸信明/ARX KOBE

■所員の感想

この度の木三会では、YKKAPの奥山様から、住宅用サッシとビル用サッシの違いや、防火認定において通則認定から個別認定へと移行した背景、新しい非溶接工法の取り組みについてお話を伺いました。
同じ「サッシ」といっても用途や性能、施工方法によって大きく異なることを知り、奥の深さを感じました。


欧米では樹脂窓の使用率が70%前後である中、日本は36%で、日本における窓の断熱化は遅れているといえる状況です。

そのような中、YKKAPさんは、アルミ樹脂複合サッシなど、住宅向けでも高い断熱性能をもつ製品を開発されています。将来的にすべて樹脂サッシに切り替わっていき、最終的には木製サッシになっていくという見通しをお聞きすると、日本では建物の断熱性能においてはまだまだ伸びしろがあるように思いました。


また、YKKAPさんが開発された非溶接工法は、溶接工法による火災や漏電などの事故や資材廃棄リスクなどを防ぐことができる点で、職人さんの就労環境の改善にもつながる魅力的な工法だと感じました。


法制度や社会の目まぐるしい変化に合わせて技術開発や認定制度の見直しが行われている点に、社会の要請との関わりと企業の努力とを感じることができました。

■第133回木三会 ゲスト企業さま
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YKK AP株式会社(大阪本社)
〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1番地
TEL:03-3864-2200
URL:https://www.ykkap.co.jp/
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木三会は、以下の3点に重点を置いて、議論していきます。
1. 業界の枠を超える
2. 一般の人に向けてわかりやすいように説明する
3. 未来に向けてどのように価値をつくっていくか

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